
長い長い2週間が過ぎた
昨日コタの死亡届けを出していなかった事に気づき、ネットで市に届けを出した。
これで公式に小太郎が死亡したことになる。
私はこの2週間で復職した。
家にいてやたらと泣いているばかりではいけないと思ったからだ
理解がある上司のおかげで一年半の休職を終えてあっさり復職できた。
仕事中は思い出す事はあっても泣かずにいられる。
けれど家に戻ると当たり前だけれど誰もいないわけで
いつも通り『ただいま~コタ君~ママだよ~』と声を掛ける
やっぱり気配も感じられなくてまず泣く
まだあまり長く眠れないので少し昼寝をするとコタがかつてしていたように
撫でた時に手首の内側を舐められた気がして慌てて目覚めるが
静かな薄暗い家の中に私だけがいる
捨てられない物は他人から見るとどうでもいい物ばかりで
コタの薬の覚え書きだとか
ご飯を与える時に使っていた歯形の付いたスプーンとか
晩年の冬に着ていた服だとか
そんな物は売る事も出来ずに洗っただけでそのままで
コタが死んでから時が止まったようで
やることが少なくなった家事を無言でこなし
悩みの種だったコタの抜け毛は日に日に無くなっていき
掃除機のダストカップに溜まった抜け毛がいっぱいなのにこれが一番捨てられない
犬の気配が無くなったけれど遺品に囲まれた中で泣いている今が一番後ろ向きな私なのだ