我が家は裏も向かいも梨畑だった。
6年ほど前に裏の畑は住宅地になりびっちりと家が建てられた。
さて18年目の現在、とうとう向かいの畑も住宅地になろうとしている。
朝まではあった垣根の大木も、100本ほどあった梨の木も昼には消えていた。
もう数日経ち落ち着いたけれど当初は土を掘り返した匂いと草の匂いが充満していた。
コタもしばらく跡地に立ちすくみ空気のにおいを嗅いで動かなかった。
垣根の大木達が消えてびっくりしたのは当然ながら明るいということだ。
秋でよかった。猛暑で日陰が無いのは辛いもの。
この夏でコタは足腰がかなり弱ったように見える。
よく腰を抜かしたように座り込んで立てなくなったり転んだりするようになった。
困るのは立ち上がらせようとすると威嚇されることだ。
お尻は触っても良いらしいがへたり込んだ時は上半身はNGらしい。
今日は道路の真ん中で派手に転んでしまい、立ち上がらせようとしたら首輪がすっぽ抜けてしまった。
これでは身体を触らなければならない。
しかし道路の真ん中、車の邪魔をしている。
仕方ないので揉めるのを承知で軽く脇の下を持ち上げて移動させた。
唸られたけど噛みつきはしなかったのでとりあえずは乗り切った。
立てなかったりする状況で近づくと何かされるのでは!と猜疑心でいっぱいになるのだろう。
どうしてそういう思考回路になったのかはわからないけれど
何でもOK!だったのでここ数年の変化には私達も戸惑っている。
どんどん立てなくなってもがいている場面が増えているのでどうにかOKして欲しい。